ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.001

近くの方がイチゴを買いに来てくれます。 家庭菜園をしている方も多く、 イチゴの作り方を訊かれたりもするんです。

明姫幹線の交差点から南へ入った、播磨町ののどかな住宅街の中に、明るいグリーンに手書きのペイントが目印の「大地のいちご 横山ファーム いちご直売所」はあります。 今回は、就農9年目、加古郡播磨町でイチゴを栽培している横山大地さん(横山ファーム)を訪問しました。

「子どもが喜ぶ感じにしたいなと思って」

直売所のペイント、かわいいですね

横山氏:子どもさんが喜ぶ感じにしたいなと思って。商工会に相談して外枠を書いてもらい、ペイントは自分でしました

直売所からビニールハウスへ向かう途中、ご近所の方に出会う。

ご近所さん:あっ!カメラ。取材?もらったイチゴの苗、大きくなったで!

「高さが揃っていないと 水が均等にいきわたらないから」

イチゴハウスは3連棟750㎡、土を高く盛って大きい畦を作り、畝の間を深く掘り こんでいる。大きい畝をつくることで、イチゴ苗にしっかり根を張らせて株を大き くして栄養を十分に根からとれるようにしているのがわかる。

横山氏:畝の間を深く掘ることで、土耕でもイチゴを収穫するときに腰を屈めるのが少しマシになるんです。

畝は縦にまっすぐ、高さもビシッと揃っていますね。

横山氏:高さがそろっていないと水が均等に行き渡らないから。

何事も手を抜かない姿勢が伝わる。

一株からどれぐらい採れますか?

横山氏:だいたい1㎏ぐらい。10a(1000㎡)で4800株植えるので、4~5t採れますね。9月下旬に苗を植えました。11月には花が咲き始めて、1か月後ぐらいからイチゴが採れだします。

9月に苗を植えるということは、いちばん暑い8月に、この高い畝たてをするんですよね。その前に土づくり。う~ん、正直、ものすごくキツいんじゃないですか?

横山氏:(苦笑いしながら)体重は2~3㎏減りますね。

どうして、そんなにキツい仕事を続けられるんですか?

横山氏:(少し考えて)待っている人がいるから頑張れるんだと思います。

ご両親:「最後は賛成して一緒にやっています」

ご両親も交えて、お話を伺った。

大地さんが、『農業をしたい』と言われたときは、反対されなかったんですか?

ご両親:そりゃ反対しました

お父様:自分はサラリーマンでしたが、農業が大変な仕事だということはわかってましたから

お母様:私は実家がキク農家でしたから、農家がどれだけ大変かよくわかってました

ご両親:でも、決心してやると決めたのだから、最後は賛成して一緒にやっています

横山さんの幼馴染や学校の同級生で、農業を選んだひとはいなかったとのこと。お父さんの家庭菜園や、お母さんの実家の農業を見て育ったことが、農業を選んだきっ かけになったとはいえ、不安はなかったのだろうか。

横山氏:やれるかどうか不安はありました。なので楽農生活センターで1年間研修。そこで『やっていける』という実感がつかめました。

兵庫楽農生活センターの就農コースを修了した後、明石市のいちごの産地で空きハウス借りて4年、イチゴの技術を磨いた。

横山氏:産地で栽培を始めたので、周りにはたくさんイチゴ農家があって、色々と教わることができました。師匠の竹内雅人さんには、特にたくさん教えてもらい、イチゴの親株も、竹内さんのお世話になりました。

「スーパーのとは違う、大きくて新鮮、味がいい。と言ってもらっています」

イチゴの販売はどんなふうに?

横山氏:直売所で棚に並べて、自分の好みで選んでもらっています。近くの方がいちばん多く買いに来てくれますね。年配の方から子ども連れのご家族まで、幅広く。お客さんからは、『スーパーのとは違う』『大きくて新鮮。味がいい』と。『やわらかいのが好き』『大きいのが欲しい』とか、いろいろなお客さんの声をいただいて、品種を選んだりもしています。

ご近所さんが買いに来てくださるのはうれしいですね

横山氏:家庭菜園をしている人も多いので、イチゴの作り方を訊かれたりもするんですよ!

答えるんですか??

横山氏:全部答えます(笑顔)

播磨町で、そしてお父さんの家庭菜園があった場所で、地域の一員としてお客さんとの交流をやりがいにして、夢を実現した横山さん。住宅街の真ん中で、地域の人と 交流しながら、土を耕し、育て、新鮮なイチゴをお届けする。買った人、贈られた人、食べた人に「幸せ」を運ぶイチゴづくりは続きます。

新規就農(2020年10月取材時点)先輩DATA

氏名:横山 大地 住所:加古郡播磨町北本荘 年齢:38歳

【就農から現在まで】 平成22年 楽農生活センター就農コース受講 平成23年 明石市魚住町にて就農 平成27年 地元の播磨町へ就農地を移転 認定新規就農者認定 稲美農業青年クラブ入会 平成29年1月 認定農業者認定 令和元年  稲美農業青年クラブ脱会 令和2年  明石農業青年クラブ入会 現在に至る

【農業経営の状況】 農地:34a(借地24a) 施設:ビニールハウス/1,000㎡ (7.2m×35m×4棟) 767㎡ (7.2m×35.5m×3棟)165㎡:育苗用 経営内容:施設いちご(1,500㎡)施設トマト(250㎡) 施設レタス(250㎡) 労働力:本人、繁忙期に両親+雇用1名 出荷先:直売所(自宅、JA)、洋菓子店

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