ひょうご就農支援センター

新規就農者の声Voice of seniors

先輩No.004
○○(いちご農家:音瀬陽一)

最終目標は企業(会社)経営者!

取材日:令和3年10月19日
加古川バイパス沿い、加古川市東神吉町の住宅街近くで施設いちごを中心に栽培する音瀨陽一さんをを取材しました。

「きっかけは祖父の『農業は儲からない』」

大学で経営学部在学中に、佐用町で農家だった祖父が水害に遭い離農。

音瀬氏:水害で崩れた田んぼを見た祖父の「農業はだめだ、儲からない」という言葉を聞き、産業なのになぜ儲からないのか、と興味を持ち「農業で儲けるには」というテーマで卒論を執筆しました。

その後、農業に携わりたい思いを持ちながら就活、最終的には銀行に就職することに。

音瀬氏:このまま銀行にいても一生困ることはないと思ったが、40、50歳になったときに「あのときこうしていたらよかった」と思いたくない、じゃあ自分で農業をしよう、と決めました。

退職し、兵庫楽農生活センターの就農コースで1年間農業を学びました。しかし卒業後も、なかなか農地が見つからず苦労しました。
その後、縁があり、やっと農地を借り受けることができ、就農コースの同期から1年遅れて就農。

「師匠(親方農家)とのつながりは一生もの」

就農後、稲美町の親方農家の元で指導を受けました。

音瀬氏:親方制度で師匠がいたことがよかった。師匠は考え方が柔軟な方で「やりたいことをやったらいい」という考えの持ち主。
「これが絶対ではない。1つのやり方なので他にもいろんなやり方があるから、どれが良いか自分で決めるとよい」と教わりました。

自分で判断するためには自分で勉強して考える必要があり、おかげで幅広く学ぶ力と判断力を養うことができました。

師匠とは今もつながりがあり、縁を大切にしています。

「1年に1回のいちごを待ってくれているお客さんがいる」

いちごは直売所で販売。すぐ隣には小学校があり、取材時も賑やかな子供たちの声が聞こえていました。

音瀬氏:お客様の多くはリピーター。ハウス沿いが散歩コースになっていて、毎年買いに来てくれるお客様もおられ、1年に1回の僕のいちごを楽しみに待ってくれています。

「農業は作ってみないと相性がわからない」

栽培品目はどうやって決めたのか?

音瀬氏:研修時から「いちごを作ってみたい」と考えていました。でも作ってみないと自分にどの作物が合うかわからない。だから毎年+αで新しい作物を作っています。

だからあえて、看板も“野菜直売”にしています。「これ1本」と決めるのは新規就農には向いていないと僕は思います。自分で試して探してみると良いと思います。

「人とつながらないとものは売れない」

地域外から参入し農業を始めた音瀨さん。「自分は“人の運”を持っている」と話し、地域の方々とのつながりを話してくださいました。

音瀬氏:村の水路掃除に参加するなど、地元の人との交流を積極的に行ないました。いちごを直売で売っていこうと決めていたので、「人とのつながりがいる」と考えていました。

そして、自分を受け入れてくれた村に何ができるか考え、近隣の小学校での農業の授業、米作りのサポートや、ハウスの見学を受け入れています。これがきっかけで、今ではJAからの依頼を受け、加古川市内の様々な小学校へ出張授業を実施しています。

村・地域を支える子供らの手伝いをすることで、村・地域から自分にしてもらったことを少しでも恩返しすることができると思っています。いかに農業が楽しいと思ってもらえるかを考えて、子供たちに「農業って楽しい」ということを伝えていきたいと思います。

「最終目標は企業(会社)経営者」

音瀬氏:将来は企業(会社)経営者となり僕が現場から離れても、経営全体に目を配ることができるような体制にしたいと考えています。

そのためにも今のうちにいろいろとチャレンジして、作物をどのような状態になるかを熟知し、作物の栽培にも精通して、異常気象や災害等にも立ち向かいたいと考えています。

師匠から「規模を大きくして人を雇うことを目標にしないといけない」と教わりました。家族経営にとどまらず、雇用できるような会社経営にまで発展させていきたいと考えています。

新規就農(2021年10月取材時点)先輩DATA
音瀨陽一氏写真

氏名:音瀨 陽一住所:加古川市東神吉町 年齢:34歳

【就農から現在まで】 2011年 離職 2012年 兵庫楽農生活センター 就農コースで1年間の研修 2014年 就農 2019年 加古川青年クラブ会長に就任 現在に至る

【農業経営の状況】 農地:80a 施設:ビニールハウス3棟 経営内容:施設いちご7.5a 露地野菜(ブロッコリー、スイートコーン等)70a 労働力:本人、妻、雇用5名 出荷先:直売所、JA

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