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新規就農者の声Voice of seniors
成功するまでやり続ければ失敗ではない!
取材日:令和5年8月
養父市大屋町で有機農業に取り組む狭間さんご夫婦を取材しました。
農業を志したきっかけは?
狭間氏:就職氷河期世代で、就職に有利だからという理由で大学に行くのが嫌でした。専門職に就きたいという思いから、自動車整備の専門学校に進学し、カー用品店に就職しましたがお店に馴染めず、食に関する仕事に興味があったため、飲食店でバイトを始めました。野菜ソムリエの飲食店で働き、有機野菜とそうではない野菜を食べ比べたときに味が全然違ってとても感動しました。その経験から飲食店で働きながら、保田茂先生(NPO法人兵庫農漁村社会研究所理事長、神戸大学名誉教授)の有機農業塾に通い、先生の環境問題、次世代への継承、健康づくり等の有機農業への考えに感銘を受け、有機で農業を始めたいと思うようになりました。
決心した原動力は?
狭間氏:様々な本から有機農業で成功している事例を知ったり、保田先生や楽農生活センターの先生方、神戸市内の有機農業農家の方など、いろいろな方との出会いや助けがあって就農を決心しました。
就農時に気をつけたこと、心がけたことは?
狭間氏:常に謙虚であることを忘れないことです。就農した場所(養父市)に地の利が無く、全く知らない地域であり、自分一人では何も出来ないため、とにかく周りの人の意見を聞くことを意識しました。
有機農業=粗放栽培というイメージがありがちなので、有機農業が敬遠されないように適期管理することを意識しました。特に、農家の方がよく気にされる畦畔の草の管理など、きちんとやるべき事を適期に作業することが出来れば、地域の方からも認めてもらえると思います。
苦労した点は?
狭間氏:研修地(神戸)と就農地(但馬)では全然気候条件が違い、兵庫楽農生活センターで学んだ栽培技術が全て活かせるわけではなかったので、現在も試行錯誤しながらこの土地にあった有利販売につながる作型を検討しています。
ネット販売を試みたこともありますが全然だめでした。日頃の出荷のみならず、神戸で行われるマルシェイベントに参加するなどして、販路開拓を行うようにしています。
就農してみて、何かかわりましたか?今の自分をどう思いますか?
狭間氏:スケジュールの組み方が変わりました。一年を通して、どうしても外せない用事がある日は休めるように計画的に農作業を行っています。
また、農業のイベントや地域のイベント(消防団)で人と接する機会が多くなり、社交的になれました。
困ったときに相談できる人、他の農家さんとの繋がりなどはありますか?
狭間氏:生産グループで技術的な交流があります。
自分が出荷しなければいけない量を確保出来ない場合は生産グループの他の農業者に助けてもらっています(逆も然り)。
良質で安全な野菜で食卓に笑顔と彩りを!
これからの夢や目標はありますか?
狭間氏:美味しいものを安定的に作りたいです。現在の農地・施設で省力的かつ効率よく農作物を栽培していき、必要があれば新しい設備の導入も検討したいです。
一昨年から、ニンジンのB級品など生鮮品で出荷できないものをニンジンジュースにして商品化しており、養父市のふるさと納税返礼品として検討中です。今後も、6次産業化に力を入れて行きたいです。
また、新しい就農希望者を受け入れ、教えられる立場になりたいです。認定農業者になって、新しく農業を始める方の研修受け入れ先になれたらと思っています。
これから農業を目指される方にアドバイスをお願いします。
狭間氏:気になることがあれば、自ら行動してどんどんチャレンジしてほしい!研修を受講するだけでも違う景色が見えてきます。ずっと迷っていても何も解決しないので、まず行動して欲しいと思います。まずは研修を受講して、いろいろ気になることを聞いてみて、農業が自分に向いているか判断してみたら良いと思います。
新規就農(令和5年8月取材時点)先輩DATA
氏名:狭間健治さん・瞳さん夫婦 (はざまけんじ・ひとみ) 住所:養父市大屋町 年齢:健治さん42歳、瞳さん34歳 就農区分:Iターン
【就農から現在まで】 2015年7月 離職 2015年9月~2016年8月 兵庫楽農生活センター(就農コース) で1年間研修 2016年8月 大屋町に移住 2017年 就農 2023年 現在に至る
【農業経営の状況】 農地:177a(借地) 施設:ビニールハウス3棟540㎡ 経営内容:ピーマン、ナス、ミニトマト、 にんじん、水菜、ホウレンソウ、 玉レタス、リーフレタス、 試験的にスナップエンドウ、枝豆、 トウモロコシ、ラッカセイを栽培 労働力:本人、妻、雇用1名(夏場) 出荷先:イオン、コープ有機、 地元直売所、学校給食、 農業総合研究所(LIFE、ダイエーなど)